It was not fun. 楽しくなんてなかったよ It’s not nothing that I would want to do again, 刑務所でもう一度したいことは何もないけど but I learned a lot from it. そこでたくさんのことを学んだんだ I feel like if I wasn’t to go to jail, もしそこに行くことがなければ I probably wouldn’t be the person I am—I wouldn’t. おそらくおれはおれ自身じゃなかったと思うよ ’Cause I wouldn’t have sat down and wrote those songs だって、椅子について曲を書くような and I never would’ve been able to focus on what I want to accomplish. おれが成し遂げたかったことに集中できるチャンスはなかっただろうから So it’s like it was actually a good thing for me. だから刑務所での暮らしは、実際おれにとって良いものだった It made me open my eyes and stuff like that. おれの目を覚ましてくれたんだ
(※1) 亡くなった Tjay の仲間の名前。Tjay は Smelly に音楽的なインスピレーションを受けたそうで、自身の楽曲内で度々ネームドロップします。ヒット曲『F.N』でも「I wish my n***a Smelly could’ve seen me lit now (Smelly に今のおれの成功した姿を見て欲しかった)」とラップしています。
Mixed Emotions
アルバム内でも特に際立つ綺麗なメロディラインを奏でる1曲。
I can’t wait to take a picture next to Nicki and Wayne
Nicki Minaj や Lil Wayne と一緒に写真を撮るのが待ちきれないんだ
引用したラインでは、「Nicki Minaj や Lil Wayne といったシーンのトップアーティストと肩を並べるようになった自分」と「同業者というより未だに彼らの1ファンである自分」という2つの側面を上手く表現しています。楽曲をリリースし始めてからわずか2年足らずでスターダムを駆け上がった彼ならではのリリックです。
『Leaked (Remix)』にて Lil Wayne との共演を果たす Tjay
そんな全体を通して甘い歌声で歌い上げる、ポップス或いは R&B 寄りな作風の同アルバムは、初週4.5万枚を売り上げ、Billboard Hot 200にて5位デビューを飾りました。
ニューミックステープ『State of Emergency』
そして Tjay は、明日5月8日にミックステープ『State of Emergency』をリリース予定です。
現在のシカゴのヒップホップシーンを牽引し、シカゴ内外の若手たちに強い影響を与え続けている Lil Durk。今週の金曜日には、ニュープロジェクト『Just Cause Y’all Waited 2』のリリースを控えています。そこで今回はそんな彼の生い立ちやキャリア、魅力に迫りたいと思います。
はじめに
Lil Durk (以下 Durk) は、アルバムやミックステープ、自身が率いるクルーである OTF (Only The Family) のコンピレーションアルバムを含め、19枚ものプロジェクトをリリースしており、本記事で全てを紹介することは極めて困難な試みとなります。ですので、本記事においては「ドリル色の強い Lil Durk」と「メロディアスなスタイルの Lil Durk」という二つのカテゴリに分けることで、彼の魅力を伝えることができたらと考えています。(このカテゴリ分けに関しては「独特なスタイル」の項目で解説しています。)
生い立ちとキャリアの開始
Lil Durk (リル・ダーク) こと Durk Banks は、Chief Keef や Lil Reese などをはじめとする数々のドリルMCを輩出したことでも知られる、イリノイ州シカゴで生まれ育ちました。
この章ではまず、彼の音楽の基盤となっている「ドリルミュージック」色の強いスタイルの楽曲を紹介していきます。主に初期にリリースされた『I’m a Hitta』シリーズや、DJ Drama によってホストされた『Signed to the Streets』、Lil Reese とのジョイントミックステープ『Supa Vultures』などのプロジェクトがこのカテゴリに当てはまります。
ドリル色の強い彼のアルバムには、シカゴドリルのパイオニアの一人である Lil Reese をゲストに招いていたり、Chei Keef と数々の名曲を生み出したプロデューサーである Young Chop をプロダクションに招いていたりと、至る所にドリルならではの要素が見受けられます。
L’s Anthem
初期にリリースした2枚目のミックステープ『I’m Still a Hitta』の六曲目に収録されているこちらの楽曲。タイトルは「Lの聖歌」で、その名の通りの楽曲です。「L」とは、Lil Durk が生まれ育った地域ストリート「Normal」 のニックネームである「Lamron」の頭文字であり、逆から読むことでギャングコミュニティー内でコードネーム化されています。
「Lamron」のクルーは Lil Durk が所属する Black Disciples の一部であり、そのモットーは「Life, Love & Loyalty」です。全てが L から始まることから、自らのフッドについてラップした曲を「Lの聖歌」 と名付けています。
Don’t Understand Me
DJ Drama によってホストされたアルバム『Signed to the Streets』に収録されているこちらの楽曲。若かりし頃の北野武に見えなくもない雑な似顔絵が印象的なアルバムカバーを見ての通り、この頃は完全なるドリルミュージックのアーティストです。
トラックも Chief Keef と Lil Reese の名曲『I Don’t Like』と良く似たシカゴドリル特有のサウンドで構成されており、いかにも暴力的な印象を抱く楽曲です。おそらく、最近の Lil Durk の楽曲を中心に聴いていた方達にとっては、そのギャップに驚く方も多いのではないでしょうか。
メロディアスなスタイルの Lil Durk
続いてこちらの章では、彼自信が創り上げたニュージャンルである、メロディックなスタイルの楽曲を中心に紹介していきます。Chance The Rapper や Wale などの、大物ラッパーの楽曲に参加した際も、このスタイルでラップを披露していたこともあり、「Lil Durk と言えばこの綺麗なメロディだよね」というようなイメージをお持ちの方も多いと思います。
Ty Dolla $ign や Young Thug などを招き、メロディアスなフロウを初めて積極的に取り盛り込んだアルバム『Lil Durk 2X』や、シリーズ最新作がアナウンスされたばかりの『Just Cause Y’all Waited』、『Signed to the Streets 3』などが、こちらのカテゴリに当てはまります。
Teyana Taylor 手がけるホラーシリーズ『Hottieween』の制作&出演や、メンフィスの人気ラッパー Moneybagg Yo との交際(現在既に破局済み)など、多方面において話題を欠かすことなく一気にスターダムを駆け上がった彼女は、2020年3月に新作 EP『Suga』をリリースしました。
そんな彼が、本格的に楽曲をリリースし始めたのは昨年の2019年です。そんな中、彼がリリースしたデビューEP『Pain and Love』が近年のブルックリンドリルの人気の波とぶつかって、空前のバズを起こします。
1st EP『Pain and Love』
2019年6月5日に Fivio はデビューEP『Pain and Love』をリリースしました。Pop Smoke や Drake との共演も果たしたロンドンのプロデューサー AXL Beats が、収録されている4曲すべてのプロデュースを担当し、近年のドリルミュージック逆輸入の流れを体現したものとなっています。タイトルの『Pain and Love』は、アルバムカバーの通り、彼の両手に刻まれたタトゥーの文字から由来しています。
No drive-bys, we doin’ walk-downs 車からの銃撃はしないぜ、俺らは車から降りて敵を狙い撃つ
I was dead broke 俺はまじで貧乏だった
Writin’ rhymes where the roaches at ゴキブリが這い回るような場所でライムを書いていたよ
Mama Lottie knew I was a star before I wrote a rap 俺がラップを書く前から、ママは俺がスターだって知ってた
‘Cause I was always the one gettin’ noticed, but they didn’t notice that 俺は注目されるべきだったのに、他の奴らは俺のヤバさに気付かなかったからな
EPリリース後
Pop Smoke 『Sweetheart (feat. Fivio Foreign)』
EPリリース、『Big Drip』の大ヒット後、彼はブルックリン内外を問わず、数々のビックネームとの共演を果たしました。その中でも特に目立ったものは、ほぼ同時期からブルックリンドリルシーンを台頭してきた Pop Smoke との楽曲『Sweetheart』ではないでしょうか。プロダクションには、 Pusha T や Nicki Minaj との共演で知られるブルックリンのプロデューサーが参加し、ドリルトラックに挑戦しています。
Fivio Foreign & Rich The Kid 『Richer Than Ever』
アトランタの人気ラッパー Rich The Kid と共にリリースしたシングル『Richer Than Ever』です。こちらの楽曲は、『Big Drip』などのプロデュースした AXL Beats で、完全に Fivio の土俵に Rich The Kid を引きずり込んだものとなっています。Rich The Kid も、ブルックリンドリル特有のフロウに挑戦していますが、意外と違和感がなくて不思議な感覚を覚えます。
Tory Lanez『K Lo K (feat. Fivio Foreign)』
カナダ・ブランプトン出身で、IGライブを賑わせている Tory Lanez が Fivio を客演に招いた楽曲です。タイトルの『K Lo K』とはドミニカ共和国でよく使われる「調子はどう?」を意味するスラングで、どことなく異国の香りが漂うトラックとなっています。