アメリカ前大統領 Barack Obama 氏が「2020 Summer Playlist」を公開

アメリカ前大統領 Barack Obama 氏が「2020 Summer Playlist」を公開した。

Hip-Hop/R&B からは、Common や John Legend、Megan Thee Stallion、Teyana Taylor、Khalid、Jorja Smith、Princess Nokia、Childish Gambino、J. Cole、Nas、Mac Miller、Outkast、Summer Walker、KYLE、PARTYNEXTDOOR、Little Simz、Anderson .Paak、Lil Mosey、CHIKA らが選出された。未聴の楽曲があれば、この機会に是非聴いてみてはいかがだろうか。

今週のリリース【8月16日〜】

[アルバム]

Nas – King’s Disease

blackbear – everything means nothing

Lecrae – Restoration

Mulatto – Queen Of Da Souf

Jehry Robinson – 20/Twenty

DUCKWRTH – SuperGood

Vic Mensa – V Tape

Fireboy DML – APOLLO

Money Man – Epidemic (Deluxe)

Troye Sivan – In a Dream (EP)

Zaay Diorr – Diorr Package (EP)

[シングル]

Travis Scott – The Plan

Fivio Foreign – 13 Going On 30

Chief Keef & Mike WiLL Made-It – Bang Bang

Pharrell Williams – Entrepreneur (feat. JAY-Z)

42 Dugg – Free Merey

Headie One – Ain’t It Different (feat. Stormzy & AJ Tracey)

Jackboy & Tee Grizzley – Married To My Enemies

Russ – Aw Aw

Rich Brian – Dont Care

Tyga & El Alfa – Trap Pea

Kid Ink – 45

B.o.B – Slizzy Sity

Busta Rhymes & Vybz Kartel – The Don & The Boss

Wifisfuneral – Ocean (feat. Smoove’L)

The Lox – Bout Shit (feat. DMX)

YNW Bortlen – Been Thru

Iggy Azalea – DLNW (feat. Tinashe)

Gunna が Young Thug の誕生日に約1000万円の現金を送る

YSL Records に所属するラッパー Gunna が、先日8月16日に29歳の誕生日を迎えた Young Thug に目を疑うような誕生日プレゼントを送ったことが話題となっている。

なんと Gunna は Young Thug に誕生日ケーキを模した約1000万円の現金をプレゼントとして送ったのである。

https://twitter.com/youngstonerlife/status/1294928701352808448?s=21

Gunna の誕生日の際には、Young Thug が彼に約3000万円のロールスロイスを 送ったことで話題となっていたが、やはりこのレベルの大物ラッパーともなると、誕生日プレゼントの交換ですらかなり大掛かりなものとなるようだ。

Lil Wayne が『Tha Carter VI』と『No Ceiling 3』の近日中のリリースを示唆

Lil Wayne が、人気アルバムシリーズ『Tha Carter』と『No Ceiling』の続編のリリースを示唆した。

『Tha Carter VI』をもうすぐリリースするよ

でも『No Ceiling 3』が先だ

アメリカのスポーツチャンネル ESPN にてこのように語った Lil Wayne。既に今年中のリリースが予定されている 2 Chainz とのコラボアルバム『Collegrove 2』に加え、更に彼の2つの人気作が今年中にリリースされるかもしれない。

Internet Money によるニューアルバム『B4THESTORM』の全貌が明かされる

Taz Taylor によって創設された、フロリダ・ジャクソンビルを拠点としたレコードレーベルである Internet Money。

先日、アップカミングなプロジェクトの先行シングルとされる楽曲『Lemonade』を、Gunna や Don Toliver、NAV の3人を迎えてリリースしたことで話題となったばかりだが、日本時間の15日深夜にニューアルバムの全貌が明らかとなった。

アルバムタイトルは『B4THESTORM』(嵐の前)とされており、イラストレーターである ZAN によってデザインされた遊園地をモチーフにしたアルバムカバーには Lil Tecca や Trippie Redd、Don Toliver らの姿が確認できる。

アルバムタイトル、カバーと共にトラックリストも既に公開されており、Internet Money と親交のある Lil Tecca や Trippie Redd をはじめとする23名のラッパーが参加している。

Frank Ocean と冨田勲 – Ocean に影響を与えた一人の日本人

But there’s no erasing

意味のないことなんてないんだよ

Frank Ocean – Dust

Frank Ocean に影響を与えたのは Prince や Kanye West であるという話はをよく耳にします。しかし、Ocean に影響を与えたのは R&B や Hip-Hop だけではありません。Ocean は「現代音楽」にもかなり影響を受けているのです。

現代音楽とは、20世紀中盤以降から使われるようになった言葉で、クラシックのジャンルのことを指しています。その音楽性に絶対的な共通性はないものの、無音への傾倒や、不協和音の多用などが傾向として挙げられます。

そして、影響を受けたというその根拠は Ocean の指揮する無料配布マガジン『Boys Don’t Cry』に掲載されている「Frank Ocean の好きな曲50選」の中にあります。この中には、たった一曲だけ日本人の名前が記されているのです。それは、日本が誇る作曲家 / シンセサイザー奏者でもあり、現代音楽のアーティストとも言える 冨田勲 氏です。今日はそんな一人の日本人とオーシャンのサウンドの連関を探るべく、一つの記事を書いていきます。

前半は「みんな知らない Frank Ocean」というのをテーマに、 Wikipadia には掲載されていない Ocean のトリビアルな情報をまとめ、後半に冨田勲が与えた影響について考察するという構成となっています(この記事ではセクシュアリティへの考慮から、Frank Ocean については三人称を使わずに記事を進めさせていただきます)。

Frank Oceanとは

もはや説明不要と言っても過言ではないほど、現代の音楽シーンを語る上での最重要人物となっている Frank Ocean(以下、Ocean)。Ocean については Wikipedia などで詳しく載っているので、今日は皆さんがあまり知らない Ocean の素性をまとめてみます。

Ocean はルイジアナ州ニューオーリンズ出身の 32才のアーティストで、Tyler, The Creator 率いる Odd Future のメンバーとしても広く知られています。(Odd Future は現在実質解散した状態にあります。)

『Nostalgia, Ultra』

Ocean は2011 年に発表したデビューミックステープ『Nostalgia, Ultra』にて、様々な方面から圧倒的な評価を受け、衆人環視の的となりました。

『Nostalgia, Ultra』

では、このアルバム『Nostalgia, Ultra』の中でも伝説となっている一曲について紹介いたします。それは、このテープの 12曲目『American Wedding』です。

『American Wedding』

お分かりの方もいらっしゃると思いますが、これは70年代にアメリカを賑わした伝説的バンド Eagles の『Hotel California』を大胆にサンプリングした楽曲です。

今や音楽の教科書にも掲載されている伝説の曲を現代版のリリックへと落とし込んだ『American Wedding』は、メロディーを差し替えたフックの歌唱や、アウトロでのカリフォルニア出身のグラミー賞受賞プロデューサー/ シンガーである James Fauntleroy による教訓的な独白など、このミックステープの中でも重要なポジションを担う楽曲でした。

『American Wedding』- Live Version

このミックステープは無料で配ったフィジカルなものにも関わらず、ある人物が「この曲は著作権侵害だ」と主張しました。それは原曲の張本人、 Eagles のボーカリスト Don Henley でした。彼は起訴することさえちらつかせ、Ocean を「傲慢で、才能がない人間だ」と言い、「次にライブで『American Wedding』を披露すれば訴える」という事態にまで発展しました。

このことに対して、Ocean はこう答えました。

この男はクソな金持ちか? 新入りを訴えてどうするつもりだ?

あの曲で金は少しも稼いでなんかない。無料でリリースしたんだよ。

というかむしろ、彼に敬意を払ってたんだけどな。

確かにこのアルバムは無料で配られたフィジカル作品なので、Don Henley の主張は現代のサンプリング文化全体への否定のような気もします(ちなみに彼は Kanye West も批判しています)。

『Channel Orange』

その後、第二作『Channel Orange』では名声を欲しいままにします。グラミー賞でも、主要3部門を含む6部門にノミネートされ、記念すべき第一回目の「アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞」と「ラップ/サング・コラボレーション賞」を受賞します。

『Channel Orange』

少し余談を挟みますが、このアーバン「Urban」とは主にアフリカ発祥の音楽を指す言葉であり、差別用語としてグラミー賞が名前を「Progressive R&B」に変更することが今年発表されました。

このアルバムの中からは、少々想世界的なテーマが描かれた楽曲『Pyramids』をご紹介いたします。特徴ある音が折り重なり、それぞれの色を残しながらも完璧なバランスで配置され、全体として完璧な一色の世界ができているような感覚を与えてくれる一曲です。また転調後に全く別の曲調に変化するところも魅力的です。

『Pyramids』

『Blonde』

そして2作目のスタジオアルバム『Blonde』をリリースするとたちまち全米チャート1位を記録するほどバイラルヒットします。

このアルバムの発売に伴い、8月20日にロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ロンドンで雑誌『Boys Don’t Cry』のポップアップストアがオープンしました。この雑誌にはフィジカル盤の『Blonde』が付録としてついており、デジタル盤とは全く違った構成や楽曲が収録されています。

ここで、もう一つ皆さんが知らないかもしれない衝撃の事実をご紹介いたします。実はこのフィジカル盤の『Nikes』に限って、 KOHH と LOOTA が客演参加しているのです。

『Nikes』ft.KOHH & LOOTA

Frank Ocean と映画

フリッツ・ラング 『メトロポリス』

そして、Ocean はかなりの映画好き(シネフィル)です。そもそも、Frank Ocean という名前の由来も映画『Ocean’s Eleven』(オーシャンと11人の仲間)のタイトル(Ocean)と、そこで主演を務めた、ポップ音楽における最重要のアーティスト/ジャズシンガーの一人である Frank Sinatra の名前を掛け合わせたものなのです。(ちなみに Ocean は Frank Sinatra を最も影響を受けたアーティストの一人だと言っています)

少し映画について触れるならば、XXL Magazine のインタビューで答えた彼の大好きな映画リストから、そのシネフィルぶりを感じとることもできます。

リストには、無声映画期の作品(シュールレアリズムで知られるルイス・ブニュエル作品や、モンタージュ理論の生みの親・エイゼンシュテインの作品、詩人や古劇映画の活動で知られるジャン・コクトーの作品など)から、現代映画の巨匠の作品群(リンチやキューブリック、深作欣二や北野武、ヴィム・ヴェンダースの作品など)まで、Ocean の嗜好が広範囲に渡っていることが読み取れます。

『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(1972) – ルイス・ブニュエル

さらに、選ぶ作品が大作からコアなものにまでわたっており、そのシネフィルぶりは一目瞭然です(少し意外だったのはフランク・シナトラの因縁の相手、ロマン・ポランスキー監督をランクインさせていることですが)。

Frank Ocean とセクシュアリティ

2012年7月4日、Ocean は『Channel Orange』のライナーノーツを兼ねた文章を自身の Tumblr に投稿し、初恋の相手が男性だったことを明かしました。この行動は、マチズムを当然視している南米ルーツの音楽ジャンルに一石を投じました。

Tyler, The Creator や Jaden Smith を始め、様々なアーティストがカミングアウトを堂々とするようになったのも、Ocean の勇気ある行動を契機としているといっても間違いありません。ちなみに、Ocean 自身がカミングアウトを行う勇気が出たのは、音楽的にも最も影響を受けたアーティストの一人である Prince のおかげだと言っています。

Prince が、「性の役割」という古臭い考えを相手にせず、自由に行動してくれたからこそ、自分のセクシュアリティをナチュラルに受け止めることができたんだ。

ちなみに Prince は今となっては伝説的なアーティストであることは間違いありませんが、今から 30 年以上前に、テレビの番組にビキニとヒールを纏って出演したこともあったりと、表舞台でセクシュアリティを公表した黒人としてもその功績を称えずにはいられません。

ここまでが「みんなの知らない Frank Ocean」でした。では次に Ocean の音楽の源流について考察していきます。

Frank Ocean の音と冨田勲による影響

冒頭で説明した通り、Ocean は自分に影響を与えた50曲の中で、一人だけ日本人を選出しており、それが冨田 勲氏なのですが彼は一体どういう人物なのでしょうか。

冨田 勲は1932年4月22日に東京都杉並区で生まれ、父親の冨田 清が当時紡績会社であった鐘紡の嘱託医であったため幼い頃から転勤が多く、中国で幼少期を過ごすなど、安定しない子供時代を経験しました。

慶應義塾高等部に編入してからは友人と協力しながら独学で音楽を学び、慶應義塾大学に入学してからは美術史を学ぶ傍、音楽理論の授業にも積極的に出席していました。大学2年になり、朝日新聞社主催のコンクールの課題曲に応募した合唱曲『風車』がコンクールを獲り、これにより作曲家になる意志を固め、在学中からNHKの音楽番組の仕事をするなど、作曲活動に従事し始めました。

そして冨田氏について特筆すべきことは、彼は日本にシンセサイザーを持ち込んだ張本人であることです。彼はそのあまりの持ち込みの早さから、怪しい機材と疑われ、関税にシンセサイザーを何ヶ月も止められていたという伝説まであるほどです。

また、彼の極めて精巧に作り上げた独自のサウンドは、日本ではクラシックと扱うか、ポピュラー音楽と扱うか分からないため、日本の音楽業界に売り込みを拒否されました。その後、アメリカでクラシック音楽としてチャートにランクインして大ヒットしたのちに日本に逆輸入されました。

冨田 勲『月の光』

幻想的な響きの中に優しい振動を染み込ませ、立体的に構成された波のようなサウンドはクラシック音楽にとどまらず、大衆音楽にまで多大な影響を与えるなど、冨田氏は日本の現代音楽の先駆者とも言えるアーティストなのです。

そして彼の助手としてその音楽的影響を強く受けたアーティストに松武秀樹がいます。彼はのちに YMO(Yellow Magic Orchestra)の第四のメンバーとしてシンセサイザー・マニピュレーターとして活躍することになります。

またこの記事の主題でもある Ocean が彼から多大な影響を受けているという主張の根拠としては、三点をあげておきます。それは「環境(アンビエント)音楽」「サンプリング」「声のインスト化」です。これらの単語を見ただけではまだはっきりしないと思うので、説明していきたいと思います。

Ocean と環境音楽

また冨田氏は他の様々な曲の中で環境音を用いることから、アンビエント・ミュージック(環境音楽)の枠内にいると捉えることもできます。

冨田氏のこちらの曲『亜麻色の髪の乙女』では、美しい今日曲調の裏で風の音など様々な環境(アンビエント)音が組み込まれています。

そして、アンビエントと聞いて思い起こされるのがアンビエントR&Bの創始者、Frank Ocean です。環境音楽という観点でも Ocean は冨田勲の影響が少なからずあると思われます。

Ocean とサンプリング

フランスの印象派を代表する作曲家ドビュッシーの変奏曲をまとめたアルバム『月の光』で世間から評価を得た冨田氏ですが、彼のスタイルは原曲のメロディーは留めて置きながらも、あらゆる音の引き出しを次々と開けていき、新たな世界を構築するスタイルであるといえます。

これは Ocean も行ってきた手法であり、先ほど述べた Eagles のサウンドを取り入れた楽曲『American Wedding』にもその傾向を垣間見ることができます。

Ocean と声のインスト化

また Ocean を象徴するインスト化されたように強く歪んだ声も、冨田氏の影響を強く受けていると言えます。「インスト化された声」と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思いますので、名だたる評論家たちから大絶賛を受けた Ocean の最高傑作の一つ『Nikes』を聞いてみてください。

Frank Ocean『Nikes』

この元の声の質を極端に歪ませ、極端に機械化(インスト化)させた「声ではない声」こそ「インスト化された声」と捉えることができます。ここに Ocean の凄みが隠されています。とどのつまり、Ocean の声は人間の声のはるか向こう側まで到達し、もはやそれを楽器のように弄びながら緩慢なトラックに溶け込ませているのです。

しかし、この「インスト化された声」については冨田氏から絶対的な影響を受けたということをここで主張しておきます。それは『アラベスク第一番』にて変質した声が含まれている部分を聞けばおわかりいただけると思います。

『アラベスク第一番』

ちょうどこの曲の1分21秒あたりで極端に機械化された人の声を聞くことができます。これはまさに Ocean の使うそれと遜色ないものと言っても過言ではないでしょう。

最後に

今やスーパースターとなった Frank Ocean と、Ocean が影響を受けた日本人、冨田 勲氏との関係について述べてきました。これまでとは違った切り口の Ocean の音楽分析となりましたが、少しは楽しんでいただけましたでしょうか。

そして、昨年から突然シングルを続々とリリースし始めた Ocean ですが、賞をもらうことに何の意味もないと主張していることを考慮すれば、おそらく『DHL』などジャケットの下に描かれている人形の影に応じた曲をシングルとしてこれから出し続けると僕は予想しています。

シークレットな行動が多い Ocean だからこそ今後も目が離せませんが、またいつか Ocean についてまとめた記事も書こうと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

written by Kensho Sakamoto

Young Thug が Bobby Shmurda らとの共演願望を明かす

ジョージア州アトランタのラッパー Young Thug が、昨日保釈を噂されたばかりの NY・ブルックリンのラッパー Bobby Shmurda や、同じく現在もなお刑務所に収監されている Rowdy Rebal らとの共演願望をインスタグラムにて明かした。

Bobby Shmurda と Rowdy Rebel のツーショットを、以下ようなキャプションとともに投稿した。

彼らが自由になったら、必ず彼らと共演したい。

リアルな奴ってのは、未だに地球上にいるものだ。

リアルであり続けるためには、見返りなんて求めないけど、今回はリアルでありながら評価もされるだろう。

Bobby Shmurda は近日中の保釈が噂されており、Rowdy Rebel は今年の12月の保釈が予定されていることから、彼らのコラボレーションはそう遠くないのかもしれない。

XXL FRESHMAN CLASS 2020 : 選出された12人のラッパーたち

毎年恒例の注目アーティスト選出企画 XXL FRESHMAN CLASS。本日遂に発表された今年度の選出ラッパー12人についてまとめました。

Polo G

【本名】Taurus Tremani Bartlett

【生年月日】1999年1月6日

【出身地】イリノイ州シカゴ

シカゴ北部の Old Town エリアにて、両親と3人の兄妹とともに生活していた Polo G は、2016年から楽曲制作を開始。幼い頃は、Lil Wayne や 2Pac、Gucci Mane、Lil Durk、Chief Keef らの楽曲を聴いていたという。2018年リリースの『Finer Things』のバイラルヒットをきっかけに、2019年には『Battle Cry』、『Pop Out (feat. Lil Tjay)』と立て続けにヒットを生み出し、それらの楽曲を収録したデビューアルバム『Die a Legend』は US Billboard にて6位デビュー。

2020年には、セカンドアルバム『THE GOAT』をリリースし US Billboard 2位デビューを飾った。

Polo G についての記事はこちらから↓

【代表曲】

Pop Out (feat. Lil Tjay)

https://www.youtube.com/watch?v=g-uW3I_AtDE

Flex (feat. Juice WRLD)

Jack Harlow

【本名】Jackman Thomas Harlow

【生年月日】1998年3月13日

【出身地】ケンタッキー州ルイビル

Jack Harlow は、12歳の頃にノートパソコンとビデオゲーム「Guitar Hero」付属のマイクを用いてラップを始めたそう。キャリア初期は Mr. Harlow 名義で活動しており、友人と共に Moose Gang なるコレクティブも結成していた。

2015年に自身初の EP『The Handsome Harlow』をリリースした後、シングルやミックステープを次々とリリース。2016年頃には多くのメジャーレーベルから契約のオファーを受けるものの全て断っていたそう。

2018年にはジョージア州アトランタに引っ越し、生活費を稼ぐためにカフェで働いていた Harlow は、その数ヶ月後に DJ Drama と Don Cannon 率いる Generation Now と契約を結ぶこととなる。同年、彼はメジャーレーベルからの初のミックステープ『Loose』をリリース。翌2019年にはミックステープ『Confetti』をリリースし、USツアーも開催した。

2020年1月にはシングル『WHATS POPPIN』をリリース。Lyrical Lemonade の Cole Bennett 監修によるミュージック・ビデオが6000万再生を記録し、世界中に一躍名を轟かせた。同年3月には最新プロジェクト『Sweet Action』を、6月には DaBaby、Tory Lanez、Lil Wayne をフィーチャーした『WHATS POPPIN (Remix)』をリリースしている。

【代表曲】

GHOST

WHATS POPPIN (Remix) [feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne]

NLE Choppa

【本名】Bryson Lashun Potts

【生年月日】2002年11月1日

【出身地】テネシー州メンフィス

高校生までバスケットボールに打ち込んでいた NLE Choppa は、14歳の頃にフリースタイル・ラップを始め、15歳の頃から本格的に音楽活動に取り組み始める。この頃、明確な時期や理由は明かされていないが、彼は少年拘置所に拘留されていたそうで、その経験が彼の人生の転機になったという。

2018年、彼は YNR Choppa という名義の元、ファースト・シングル『No Love Anthem』と、デビュー・ミックステープ『No Love the Takeover』をリリース。また、Choppa が所属するコレクティブ Shotta Fam の楽曲『No Chorus Pt.3』での彼の印象的なヴァースとダンスが話題を呼び、一躍名を馳せる。

NLE (No Love Entertainment) Choppa に改名した彼は、2019年にシングル『Shotta Flow』をリリース。同曲のミュージック・ビデオがわずか1ヶ月で1000万再生を記録し、Billboard Hot 100にて96位デビューを果たした。

その後も、シングル『Shotta Flow』シリーズを続々とリリースし、デビュー EP『Cottonwood』をリリース。2020年にはデビューアルバム『Top Shotta』もリリースした。今年のフレッシュマン選出者の中では最年少 (選出時点で17歳) である。

【代表曲】

Shotta Flow

Walk Em Down (feat. Roddy Ricch)

Rod Wave

【本名】Rodarius Marcell Green

【生年月日】1999年8月27日

【出身地】フロリダ州セント・ピーターズバーグ

E-40 や Chingy、Boosie Badazz、Kanye West、Kevin Gates らの音楽を聴いて育ったという Rod Wave は、5th-grade (日本の小学5年生にあたる) の頃に音楽活動を開始した。

高校卒業の年でもあった2017年に初のミックステープ『Rookie of the Year』をリリース。その後、ミックステープ『Hunger Games』シリーズで人気を集め、2019年リリースのデビューアルバム『Ghetto Gospel』は US Billboard 14位デビューを記録した。

更に2020年リリースのセカンドアルバム『Pray 4 Love』は初週で7.2万ユニットを売り上げ、US Billboard 2位デビューを飾った。

【代表曲】

Heart on Ice

Girl of My Dreams

Baby Keem

【本名】Hykeem Jamaal Carter, Jr.

【生年月日】2000年10月22日

【出身地】ネバダ州ラスベガス

Kendrick Lamar の従兄弟としても知られる Baby Keem は、その Kendrick を擁するビッグ・レーベル Top Dawg Entertainment 所属のアーティストの作品に多数クレジットされている。その例として、Kendrick Lamar の『Black Panther: The Album』や Jay Rockの『Redemption』、ScHoolboy Q の『Crash Talk』、Beyoncé の『The Lion King: The Gift』等での、ソングライティングやプロダクションへの参加が挙げられる。

声変わりを待ってからラップを始めたという彼は、2018年に『No Name』と『Hearts & Darts』の2つのEPをリリースしたのち、ミックステープ『The Sound of a Bad Habit』をリリース。その後、2019年にリリースしたシングル『Orange Soda』が2020年にかけてヒットし、US Billboard にて98位を記録した。同曲収録のミックステープ『Die for My Bitch』も多くの音楽メディアやアーティストから称賛を受け、一躍注目を浴びた Keem は、Kendrick Lamar と Dave Free による新企画『pgLang』のイントロ・ビデオにも起用され話題となった。

【代表曲】

ScHoolboy Q – Numb Numb Juice

Orange Soda

Lil Keed

【本名】Raqhid Jevon Render

【生年月日】1998年3月16日

【出身地】ジョージア州アトランタ

学生時代、Subway と McDonalds で働きながら日常的に音楽制作を行なっていた Lil Keed は、親友 Rudy を亡くしたことをきっかけに、実弟である Lil Gotit と共に真剣に音楽活動に取り組み始める。

Young Thug や Peewee Longway、Big Bank Black らに影響を受けたと語る Keed は、2016年に本格的にキャリアを開始し、2018年にデビュー・ミックステープ『Trapped On Cleveland』をリリース。 同テープがストリートヒットし Young Thug の目に留まった彼は、Young Stoner Life Records と契約を結ぶ。同年には『Slime Avenue』、『Trapped on Cleveland 2』、『Keed Talk to ‘Em』の3つのミックステープをリリース。『Keed Talk to ‘Em』にはTrippie Redd や 21 Savage、Lil Yachty、Lil Durk、Brandy ら大物アーティストが多数参加した。

2019年にはデビューアルバム『Long Live Mexico』を、2020年にはセカンドアルバム『Trapped on Cleveland 3』をリリース。ネクスト Young Thug との呼び声も高い若手ラッパーの1人である。

Lil Keed についての記事はこちらから↓

【代表曲】

Nameless

Wavy (feat. Travis Scott)

Mulatto

【本名】Alyssa Michelle Stephens

【生年月日】1998年12月22日

【出身地】ジョージア州アトランタ

オハイオ州コロンバスで生を受けた Mulatto は、2歳の頃にジョージア州アトランタに移住。彼女は10歳の頃にラップを始め、2016年には、若手ラッパーたちが8週間にわたり力を競い合うアメリカのリアリティTVシリーズ『The Rap Game』に参加、見事優勝を果たした。その結果として彼女は So So Def Records との契約権を勝ち取るが、契約金が少ないという理由でこれを断り、インディでの活動を選んだ。同年には Georgia Music Awards にて Youth Hip Hop/R&B Award も受賞した。

2017年頃から EP やミックステープを継続的にリリースしてきた彼女は、2020年に RCA Records と契約を結び、Gucci Mane や NLE Choppa らとの共演も果たした。

【代表曲】

No Panties

Muwop (feat. Gucci Mane)

Calboy

【本名】Calvin Woods

【生年月日】1999年4月3日

【出身地】イリノイ州シカゴ

音楽活動を始める前は絵を描いて過ごしていたという彼は、2015年から Kidd Cal 名義で楽曲を公開し始める。

2017年には初のミックステープ『Anxiety』を、2018年には Paper Gang Inc. からセカンドミックステープ『Calboy the Wild Boy』をリリース。同年、シングル『Envy Me』がダンスチャレンジによりバイラルヒットし、ますます知名度を上げた彼は、Kodak Black のツアーへの参加も果たした。

2019年には、RCA Records と Polo Grounds Music からEP『Wildboy』をリリース。Moneybagg Yo や Lil Durk、Yo Gotti、Polo G、Meek Mill、Young Thug らをフィーチャーした同作は、US Billboard チャートにて最高30位を記録した。Chance the Rapper のアルバムへの参加も果たした彼は、2020年、EP『Long Live the Kings』をリリース。同郷シカゴのラッパー Lil Durk から強く影響を受けた若手ラッパーの1人である。

Calboy についての記事はこちらから↓

【代表曲】

Envy Me

Givenchy Kickin (feat. Lil Baby & Lil Tjay)

CHIKA

【本名】Jane Chika Oranika

【生年月日】1997年3月9日

【出身地】アラバマ州モンゴメリー

CHIKA は幼い頃から音楽の才能を認められ、バークリー音楽大学への進学も認められていたものの、高額な学費を払うことができずサウスアラバマ大学に進学した。

アメリカ大統領選の翌日にアフリカ系アメリカ人としての訴えを Instagram にポストしたり、トランプ支持者として知られる Kanye West を皮肉るフリースタイルラップを披露したりと、政治関連の動きで注目を集めた彼女は、2019年にデビューシングル『No Squares』をリリース。同年夏には Warner Records と契約を結び、さらに2つのシングルを発表した。

2020年には EP『Industry Games』をリリース。彼女は NPR の Tiny Desk Concert にも出演するなど、今最も注目されているアーティストの1人である。

【代表曲】

Can’t Explain It (feat. Charlie Wilson)

CROWN

Fivio Foreign

【本名】Maxie Lee Ryles III

【生年月日】1990年3月29日

【出身地】ニューヨーク州ブルックリン

2011年に Lite Fivio 名義でラップを始めた彼は、2013年に Fivio Foreign に改名し、800 Foreign Side なるコレクティブ を結成。

2019年リリースの EP『Pain and Love』収録の『Big Drip』のバイラルヒットでようやく注目を浴びた彼は、Columbia Records と100万ドル (約1億円) の契約を結んだ。

2020年、EP『800 BC』をリリースした彼は、Drake のアルバムへの参加も果たした。今年のフレッシュマン選出者の中では最年長 (選出時点で30歳) である。

Fivio Foreign についての記事はこちらから↓

【代表曲】

Big Drip

K Lo K (feat. Tory Lanez)

24kGoldn

【本名】Golden Landis Von Jones

【生年月日】2000年11月13日

【出身地】カリフォルニア州サンフランシスコ

カリフォルニア州ロサンゼルスで生を受け、後にサンフランシスコに移住した彼は、2019年にリリースしたシングル『Valentino』のバイラルヒットで一躍ブレイク。彼は、同曲のヒットを受け LLC、Columbia Records と契約を結び、デビュー EP 『Dropped Outta College』をリリース。彼の楽曲『Game on Your Phone』が人気ゲーム『NBA 2K20』のサウンドトラックに選ばれるなど、西海岸出身の注目ラッパーの1人である。

【代表曲】

Valentino

Mood (feat. iann dior)

Lil Tjay

【本名】Tione Jayden Merritt

【生年月日】2001年4月30日

【出身地】ニューヨーク州サウスブロンクス

15歳の頃に強盗罪で逮捕され、服役中にリリックを書き始めたという Lil Tjay は、2017年にデビュー曲『Resume』をリリース。同曲や、その後リリースした『Brothers』がバイラルヒットし、さらに Polo G との楽曲『Pop Out』は US Billboard Hot 100 チャートにて最高11位を記録。

2019年にはデビュー・アルバム『True 2 Myself』(US Billboard 5位デビュー) を、2020年には EP『State of Emergency』をリリースした。

Lil Tjay についての記事はこちらから↓

【代表曲】

F.N

Zoo York (feat. Fivio Foreign & Pop Smoke)

Jetsonmade (ミュージックキュレーター選出)

【本名】Tahj Morgan

【生年月日】不詳

【出身地】サウスカロライナ州コロンビア

サウスカロライナ州コロンビアで生を受けた彼は、2010年 (当時13歳) 頃から Garageband を使い楽曲作りを始め、翌年2011年には本格的にトラックメイクを始める。

21 Savage のミックステープ『Slaughter King』への参加をきっかけに、DJ Drama や Yung Bans ら著名アーティストとの共演を次々と果たし、彼のコラボレーターとしてよく知られる DaBaby の楽曲を手掛けるようになる。DaBaby のデビューアルバム『Baby on Baby』では5曲に参加し、リードシングル『Suge』は US Billboard Hot 100 チャートにて7位を記録。

2019年には、YoungBoy Never Broke Again や Roddy Ricch、Lil Keed、Smokepurpp、Rico Nasty など今をときめくラッパー達とコラボを果たしたり、J. Cole 擁する Dreamville のセッションへの参加、更には前述した『Suge』が Grammy の「Best Rap Song」や BET Awards の「BET Hip Hop Award for Best Single of the Year」にノミネートされるなど、一躍大物プロデューサーの仲間入りを果たした。2020年には、Playboi Carti のシングル『@ MEH』や J. Cole のシングル『Lion King on Ice』の制作にも携わるなど、現行ヒップホップシーンを代表するプロデューサーの1人である。

Jetsonmade についての記事はこちらから↓

【代表曲】

DaBaby – Suge

Playboi Carti – @ MEH

Written by Riku Hirai

中華トラップビート – ヒップホップシーンで異彩を放つ怪ビートたち

ビデオゲームのBGMのようなピコピコトラック、Playboi Carti や Lil Uzi Vert らが得意とする浮遊感のあるトラック、極端に音数が少なくバスドラムが響く重低音トラックなど。トラップミュージックが急速に人気を博して数年たった今、数々のプロデューサーたちが多種多様なトラックを生み出し続けています。

その中でも、ここ数年のヒップホップシーンにおいて一際異彩を放ちながらも、数々のラッパーたちによって使用されているのが「中華トラップビート」です。「中華トラップビート」とは、民族楽器などの独特な音色によるメロディーを主軸として構成されている、中国的なビートのことです。

三弦のような弦楽器や、笙と呼ばれる中国の管楽器などの音色が用いられることが多く、再生ボタンを押した瞬間に中国の繁華街を歩いている気分にさせてくれます。今回は、数あるトラップビートのジャンルの中から、この「中華トラップビート」が用いられている楽曲についてご紹介していこうとおもいます。

流行の発端

中国的な雰囲気を感じられるトラックは、随分前からちらほらと見受けられましたが、やはり流行の発端となったのは、中国出身のヒップホップグループである Higher Brothers の『Made In China』ではないでしょうか。彼らは、中国でヒップホップシーンが盛んになり始めたタイミングで、チャイニーズラップらしい中華ビートを採用した楽曲をリリースしました。Future や Young Thug などとの共演で有名なプロデューサー Richie Souf による中華トラックに加え、シカゴのラッパー である Famous Dex をゲストに招いたことで、チャイニーズスタイルのトラップミュージックが瞬く間に全世界に広がりました。

中国のヒップホップシーンはもちろんのこと、海外からの注目も集めることに成功した彼らは、のちにリリースしたアルバムに ScHoolboy Q や J.I.D、KOHH などを招くことで、さらなる知名度を獲得していきます。そのなかでも、Ski Mask The Slump God と Denzel Curry を招いた楽曲『One Punch Man』は、Ronny J による中華ビートの上で中国語と英語が混同した勢いのあるラップが話題を呼びました。

MV も少林寺拳法をテーマにしたものとなっており、彼らの武器であるチャイニーズラップの独特なスタイルを全面に押し出しています。もちろん、中国的なトラックが流行した要因が100%彼らにあるとは言い難いですが、アジア圏の文化がクールであるという認知を世界中にもたらした点では、間違いなく彼らの存在は大きいのではないかと思われます。

USヒップホップシーンでの事例

本章では、ここ数年でアメリカのヒップホップシーンでもよく耳にするようになった中華トラップビートを採用した楽曲の中から、重要なものを取り上げてご紹介していきます。まずは、ご存知の方も多いと思われるこちらの楽曲から。

Young Thug 率いる Young Stoner Life Records に所属するラッパー Gunna のデビューアルバム『Drip or Drown 2』に収録されている『Who You Foolin』という楽曲です。Wheezy による高級中華料理店のBGMのような中華トラップビートに、Gunna がしっとりと哀愁のあるラップを載せています。

ちなみに、Wheezy がサンプリングしたのは、中国の人気歌手である Tong Li の『童麗』という楽曲です。メロディはそのまま使用されており、Wheezy はドラムスを重ねただけです。しかし、今となっては原曲のYouTube のコメント欄には「Gunna から」「Gunna が俺をここに導いてくれた」など、Gunna リスナーによるコメントしか見当たりません。

ビートこそ中国的ですが、『ギャングスタだって、たまにはハグが必要なんだ』『リアルであれ。ストリートはお前を愛してくれないぜ。』などと切れ味のあるソリッドなラップを披露しており、内容とトラックのミスマッチ感が楽曲をより一層興味深いものにしています。

先ほど『Who You Foolin』が Wheezy によるプロデユースとご紹介いたしましたが、Wheezy は上質な中華トラップビートを制作することに定評があります。最近では、Iann Dior のニュープロジェクト『I’m Gone』に収録され、Lil Baby をゲストに招いた楽曲『Prospect』も、Wheezy にる中華ビートが採用されており、こちらも『Who You Foolin』に似た雰囲気を感じることができます。

次にご紹介するのは、Setitoff83 というノースカロライナのラッパーによる楽曲です。彼は、Rich The Kid が率いるレコードレーベル Rich Forever に所属するヒップホップトリオ 83 Babies のメンバーで、Stunna 4 Vegas などのような勢いのあるオフビート気味のラップを得意とするラッパーです。

中国雑技団の舞台を連想するようなユニークな音色のメロディループが特徴的な一曲です。レコードレーベルのボスである Rich the Kid をゲストに呼んでおり、彼らしいオフビートなスタイルを味わえます。

三弦などの弦楽器の音色をトラックに使用、またはサンプリングすることで中国的な雰囲気を醸し出すパターンが「中華トラップビート」では王道なようです。それでは、弦楽器以外の音色やサウンドを採用した中華ビートの事例についてもみてみましょう。

Polo G の最新作『THE GOAT』に収録されている『Chinatown』という楽曲です。こちらの楽曲に関しては、タイトルから察しがつく通り、もちろん中華ビートが採用されています。チャイナタウンというだけあって、特定の楽器によるメロディラインというよりは、チャイナタウンの街の喧騒のようなサウンドにドラムスを重ねた怪ビートとなっています。

今回のテーマである「中華トラップビート」からは少し外れてしまいますが、一曲だけ他ジャンルからも中華風のものをご紹介いたします。

皆さんご存知の Justin Bieber が2014年にリリースしたアルバム『Purpose』に収録されている『Hit the Ground』という楽曲です。同アルバムには、Travis Scott や Nas、Big Sean などがクレジットされていることもあり、今回の趣旨から大きく逸脱してしまうわけではないので、ご紹介させていただきます。

ダブ・ステップというジャンルを得意とし、ダンスミュージックシーンを牽引し続けているアーティスト Skrillex などによってプロデュースされた一曲で、フックにあたるメロディーバースに中国的なエッセンスが加えられています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は、近年のヒップホップシーンにおいて異彩を放つ『中華トラップビート』に焦点を当てて、その多様性や成り立ちについて考察してきました。今回ご紹介できた楽曲以外にも、中華ビートに該当するものはたくさんありますので、皆さんも中華トラップビートを探してみてはいかがでしょうか。

written by whoiskosuke

Roddy Ricch のニューアルバムが完成していると発覚

今年にリリースされた DaBaby の楽曲『ROCKSTAR』が大ヒットを記録し、昨年から飛ぶ鳥を落とす勢いの Roddy Ricch。

そんな彼が GQ のインタビューにてニューアルバムが完成しているとコメントした。

今すぐニューアルバムをリリースしても良いかな?まあ、しないんだけど。

GQ

このコメントに対して、インタビュアーが「それはまだ準備できていないから?」と質問すると、以下のように答えた。

準備できているか出来ていないかじゃないんだ。タイミングの問題だよ。俺はここぞという時にドロップしたいんだ。次のアルバムは最高の傑作に違いないよ。

クレジットされていれば売れるというレベルにまで到達した Roddy Ricch。彼のアルバムが今年中にリリースされる可能性も十分あるだろう。