Mach-Hommy – Pray For Haiti
ニュージャージー州ニューアークのラッパー Mach-Hommy の Griselda 復帰作。
Mach-Hommy はハイチ系のラッパーで、英語にハイチ・クレオール (ハイチ語) を織り交ぜて、野太く低い声でスピットするスタイルを得意とする。ビーフ関係を解消した Westside Gunn がエグゼクティブ・プロデュースを務めた今作では、ソウルフルでメロウなビートと、ハイチにルーツを持つ Mach-Hommy ならではの独特なフロウやシンギングが堪能できる。自身のリリックを著作権登録していることから、Genius 等で確認することは出来ないが、詩的なラインや高度なライムスキームにも引き込まれる1枚。
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Baby Keem – The Melodic Blue
ネバダ州ラスベガスのラッパー Baby Keem のデビュー・アルバム。
プロデューサーとしても評価が高い Baby Keem 自身がプロダクションを担当した今作は、アルバムを通して洗練された新たなトラップのスタイルを提示しながら、Kanye Westの『808s & Heartbreak』の影響を感じさせる、どこか懐かしいサウンドも聴かせるなど、まさにメロディックでカラフルなアルバムに仕上がっている。思わず口ずさみたくなるキャッチーなリリックや、オートチューンを効かせたコーラス、耳に残るユニークなフロウなど、Baby Keem の魅力が最大限に発揮された1枚。
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Joyce Wrice – Overgrown
カリフォルニア州サンディエゴのシンガー Joyce Wrice のデビューアルバム。
90年代後半~2000年代初期の R&B を彷彿とさせるサウンドと Joyce Wrice の美しく伸びのある歌声が魅力的な1枚。Joyce Wrice と同じく日本にルーツを持つシンガー UMI が参加した『That’s On You (Japanese Remix)』では、英語話者ならではの日本語リリックを聴くことができる。
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DJ Muggs & Rome Streetz – Death & the Magician
カリフォルニア州ロサンゼルスのプロデューサー DJ Muggs と、ニューヨーク・ブルックリンのラッパー Rome Streetz によるジョイントアルバム。
DJ Muggs の十八番であるダークでグライミーなビートの上で、Rome Streetz がフロウ、ライムスキーム、ワードプレイにおいて申し分のない完璧なラップを披露する。ノンストップでパンチラインを繰り出しながら、いとも簡単にライムし続ける Rome Streetz の活躍ぶりは、レジェンド DJ Muggs のプロダクションあってのものだろう。
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Westside Gunn – Hitler Wears Hermes 8 (Side A/B)
ニューヨーク州バッファローのラッパー Westside Gunn によるミックステープシリーズ『Hitler Wears Hermes』の8作目。
Westside Gunn らしいソウルフル且つドープなビートチョイスはさることながら、お得意の高音ラップや時折見せるヘタウマなコーラスのスキルにも (彼は本来スキルで勝負しているわけではないが) 磨きがかかっているように聴こえる。しかし今作のポイントは彼自身のラップうんぬんより、むしろ彼 West のキュレーターとしての能力の高さにある。Side A、B 合わせて計30人以上のアーティストをフィーチャーし、1つのアルバムとして纏め上げるさまは、ラップができ、ビートチョイスのセンスがあるアンダーグラウンド版 DJ Khaled である。
(Written by Riku Hirai)
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Rod Wave – SoulFly (Deluxe)
フロリダのラッパー Rod Wave の3枚目のスタジオアルバム。
歌唱力の高さはいつものことながら、今作からはその高い歌唱力にゴスペル風バックコーラスや美しい楽器の音色を効果的に絡めている。口ずさみたくなるメロディの間に配置された、少々荒削りなラップも必聴。
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Young Thug – Punk
ジョージア州アトランタのラッパー Young Thug による2枚目のソロスタジオアルバム。
ギターメインなどの落ち着いたビートを多用しており、耳に優しい作品。トラップの第一線で戦ってきた Young Thug がドラムレスのビートにラップする姿は、時代の転換を目の当たりにしているような気分にさせてくれる。
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Shordie Shordie & Murda Beatz – Memory Lane
メリーランド州ボルチモアのラッパー Shordie Shordie と カナダ・フォートエリーのプロデューサー Murda Beatz によるコラボテープ。
ネチネチとした Shordie Shordie のラップが癖になる作品。某人気曲のメロディを丸々サンプリングした曲や、ネット上で自らの総資産が低く予想されていることに対するアンサーソングなど、作曲時の目の付け所が面白いところもポイント。
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Lil Yachty – Michigan Boy Boat
ジョージア州アトランタのラッパー Lil Yachty が、ミシガンの現行ローカルシーンを盛り上げているラッパーたちと共に制作したミックステープ。
旧友である Tee Grizzley はもちろん、Rio Da Yung Og や YN Jay、Icewear Vezzo らをはじめとするアップカミングなラッパーたちも多数参加しており、最後まで面白い作品。Lil Yachty の限界ささやきラップも必聴。
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Kota the Friend & Statik Selektah – To Kill A Sunrise
ミューヨーク州ブルックリンのラッパー Kota the Friend と、マサチューセッツ州ローレンスのプロデユーサー Statik Selektah のコラボテープ。
夕暮れ時に聴きたいゆったりとしたビートを中心に構成されており、Kota the Friend のテンションを上げすぎないラップとマッチしている。ピアノやトランペットのメロディとスクラッチなどのアクセントの塩梅がいい具合で、老若男女におすすめできる一枚。
(Written by Kosuke Satomi)
今回ご紹介したベストアルバムの中でも、特におすすめの楽曲を集めたプレイリストをご用意しておりますので、合わせてお楽しみください。
【Apple Music】
https://music.apple.com/jp/playlist/the-best-albums-of-2021/pl.u-jV89DkDTd1A86o2?l=en
【Spotify】
https://open.spotify.com/playlist/0XM5CGEKGDXHUBcRTokQRa?si=22f7cb221c95451b
今年も1年ありがとうございました。来年も XXS Magazine をどうぞよろしくお願い致します。
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