Westside Gunn – Pray for Paris
ニューヨーク州バッファローのラッパー Westside Gunn による3作目のアルバムです。全体を通して彼には珍しい欧風でポジティブなサウンドが目立つブーンパップの作品です。彼の所属する Griselda の周辺人物はもちろん、Tyler, the Creator や Wale、Joey Bada$$ などの幅広いゲストの参加も見所です。
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Unknown T – Rise Above Hate
ロンドン・ホマートンのラッパー Unknown T によるミックステープです。彼の音楽はUKドリルに分類されますが、当ミックステープにはトラップや R&B 的なサウンドも散見されます。抑揚がほとんど無いにも関わらず、なぜか耳触りの良いミニマムでソリッドなラップに注目です。
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Drakeo the Ruler & JoogSzn – Thank You for Using GTL
カリフォルニア州ロサンゼルスのラッパー Drakeo the Ruler がプロデューサーの JoogSzn とリリースしたミックステープです。Drakeo the Ruler は11月まで刑務所に収監されており、当ミックステープは全編 GTL 社による電話面会サービスを通して獄中からレコーディングされました。タイムラグや音質、看守による監視など様々な障壁を乗り越えて制作された圧巻の一枚です。
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SahBabii – Barnacles
ジョージア州アトランタのラッパー SahBabii のミックステープです。駄洒落のようなワードプレイや、性的な内容を動物や食べ物に喩えるスタイルなど、彼の独自性が詰まった作品です。夢の中のようなフワフワとしたサウンドと彼の優しげな声色の相性も完璧です。
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Lil Uzi Vert – Eternal Atake
ペンシルベニア州フィラデルフィアのラッパー Lil Uzi Vert によるアルバムです。焦らしの範疇を超えハードルが上がりきっていたにも関わらず、圧倒的なクオリティで全世界を揺るがした作品です。曲中に挟まれているストーリー性のあるスキットや、Working on Dying を筆頭にプロデュースされたサウンドが、アルバムに一貫性をもたらしています。
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Shoreline Mafia – Mafia Bidness
カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活動するラップコレクティブ Shoreline Mafia によるデビューアルバムです。いかにも悪そうなラップや切ない曲調を中心に構成されていますが、ゲストを含め幅広く他ジャンルにも挑戦しています。後にリリースされたデラックス盤で追加された8曲も含め、捨て曲無しの良アルバムとなっています。
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NSG – Roots
イーストロンドンを拠点に活動するラップコレクティブ NSG によるミックステープです。アフロビートを中心に構成されており、老若男女問わず踊り出してしまいそうな雰囲気の楽しい作品となっています。散見される陽気なアドリブにも注目です。
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Toosii – Poetic Pain
ノースカロライナ州ローリーのラッパー Toosii による7枚目のミックステープです。ハスキーで甘い歌声によるメロディックなフロウや切なく詩的な歌詞、声色の巧みな使い分けが光る作品です。タイトルの通り一般的ではない言葉の言い回しが散りばめられており、耳でも目でも楽しむことができます。
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Stove God Cooks & Roc Marciano – Reasonable Drought
ニューヨーク州シラキュースのラッパー Stove God Cooks が、ベテランプロデューサー Roc Marciano とタッグを組んでリリースしたデビューアルバムです。荒々しくも着実で、覇気のあるラップを聴かせるブーンパップの作品です。Stove God Cooks のラップはもちろんですが、Roc Marciano のトラックにも要注目の一作です。Griselda など現行ブーンパップシーンに興味がある方に特におすすめです。
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G Herbo – PTSD
イリノイ州シカゴのラッパー G Herbo によるアルバムです。シカゴドリルを牽引してきた彼ですが、本作ではギャングスタの強い部分だけでなく、弱みを吐露した楽曲も見られ、彼の人間性が浮かび上がる良作となっています。Lil Durk や Chance the Rapper、Polo G などといったシカゴ勢はもちろん、Lil Uzi Vert や A Boogie、21 Savage などの勢いのある若手の参加にも注目です。
(whoiskosuke)
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J Hus – Big Conspiracy
イギリス、イースト・ロンドンのラッパー J Hus によるセカンドアルバム。レゲエやUKドリルなどの要素を取り入れつつも、あくまでアフロスウィングを軸にした今作は、大ヒットを記録した前作『Common Sense』よりも更に統一感のあるポップな仕上がりとなっています。思わず口ずさんでしまうようなキャッチーなメロディ&サウンドと、シリアスながらもユーモアを交えたリリックが魅力的な1枚です。
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Big Sean – Detroit 2
ミシガン州デトロイトのラッパー Big Sean による自身6枚目のアルバム。前作から約3年ぶりのリリースとなる今作では、「音楽への情熱を取り戻した」と語る Big Sean のメンタリティの変化と地元デトロイトへの愛が存分に表現されています。Hit-Boy がエグゼクティブ・プロデュースを担当した今作は、トラップとメロウなR&Bのバランスが程良く取れた傑作に仕上がっています。Dave Chappelle や Erykah Badu、Stevie Wonder ら豪華ゲストによるインタールードも絶品。
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Spillage Village, JID & EARTHGANG – Spilligion
EarthGang、JID、Hollywood JB、Jurdan Bryant、Mereba、6LACK、Benji. らからなるジョージア州アトランタのコレクティブ Spillage Village によるデビューアルバム。ヒップホップ、R&B、ゴスペル、ネオファンクなどを融合させたカオスな作風でありながらも、生音を多用したソウルフルな雰囲気がアルバムに一貫性をもたらしています。パンデミック下で制作されたという今作は、落ち込んだ人々の心を癒してくれるような多幸感溢れる1枚です。
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Benny the Butcher – Burden of Proof
ニューヨーク州バッファローのラッパー Benny the Butcher のセカンドアルバム。Hit-Boy が全曲のプロデュースを担当した今作は、2000年初期のブーンバップを彷彿とさせるソウルフルなビートが印象的な1枚です。Rick Ross や Freddie Gibbs、Lil Wayne らをはじめとする豪華ゲストにも決して主役を譲らない、Benny the Butcher のキレのあるラップが堪能できます。
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Blxst – No Love Lost
カリフォルニア州ロサンゼルスのプロデューサー/シンガー/ラッパー Blxst のソロデビュープロジェクト。2015年から音楽活動を開始し、プロデューサーとして Eric Bellinger や Kalan.FrFr らに楽曲提供を行っていた彼がセルフ・プロデュースで制作した今作は、90年代R&Bと現行ヒップホップの要素を融合させたサウンドと、程良く力の抜けた甘いシンギング・ラップが魅力的な1枚です。
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CJ Fly – RUDEBWOY
ニューヨーク州ブルックリンのラッパー CJ Fly のデビューアルバム。Statik Selektah が全曲のプロデュースを務めた今作は、90年代のブーンバップの影響を色濃く反映させたアルバムとなっており、土臭くグライミーなビートが堪能できます。ハイセンスなライミングはもちろんのこと、詰め込み気味の早口ラップからブーンバップ由来のゆったりとしたフロウ、更にはキャッチーなシンギング・ラップまでこなす CJ Fly の器用さが光る1枚です。
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Lil Baby – My Turn
ジョージア州アトランタのラッパー Lil Baby のセカンドアルバム。緊張感のあるトラップビートを軸に、Lil Baby がスキルフルなラップとエモーショナルなヴォーカルを絶妙なバランスで聴かせます。初期の Lil Wayne を思わせるバウンス調の『Same Thing』や、Three 6 Mafia『Throw Yo Sets in Da Air』をサンプリングした『Gang Signs』など、サウス・ヒップホップへの敬意も感じられる1枚です。
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Boldy James & Sterling Toles – Manger on McNichols
ミシガン州デトロイトのラッパー Boldy James と、同じくデトロイトのプロデューサー Sterling Toles のジョイント・ミックステープ。生音のフルートやサックス、オルガンなどを用いたジャズに、ソウルのサンプリングを組み込んだカオスなプロダクションが印象的な1枚です。Sterling Toles の変幻自在なドラムパターンやベースラインと、Boldy James の淡々としたブレないラップが絶妙にマッチしており、まるでラップの上でトラックが踊っているかのような感覚に陥ります。
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Pa Salieu – Send Them To Coventry
イギリス・コヴェントリーのラッパー Pa Salieu のデビュー・ミックステープ。アフロスウィングを軸に、ダンスホールやグライムの要素を取り入れたトラックと、アフリカ (ガンビア共和国) にルーツを持つ彼ならではの独特なグルーヴ感が癖になる1枚です。UKラップ的なフロウからレゲエ調のアプローチまでこなす彼のスタイルは、同じくガンビア共和国にルーツを持つ J Hus と比較されがちですが、彼は J Hus より更にアフリカルーツに回帰したストリート色の強い音楽性を提示しています。
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Juicy J – THE HUSSLE CONTINUES
テネシー州メンフィスのラッパー Juicy J の自身5枚目のソロアルバム。多方面からゲストを招きながらも自身のサウンドにフォーカスした1枚で、Three 6 Mafia を彷彿とさせるメンフィスらしいダークで不穏なトラックを軸に構成されています。また今作には、ソウルフルなサンプリング・ビートやアップテンポなクラブバンガー、更には自身及び Three 6 Mafia の過去曲をセルフ・サンプリングした楽曲も多数収録されており、ファンにとってはたまらない1枚です。
(Riku Hirai)
Apple Music Playlist: https://music.apple.com/jp/playlist/the-best-albums-of-2020/pl.u-2aoqr16sNWXxYz0?l=en
Spotify Playlist: https://open.spotify.com/playlist/3o1tmy9rFOJ2S397YhiQnR?si=e4cCSdauS1O8B-kiEwGqqQ