2021年注目すべきUKのネクストスターたち

前回は、UKラップシーンを牽引する若手アーティストとして、Daveやslowthai、Lancey Fouxらについてまとめました。

UKラップシーンを牽引する若手アーティストたち

今回は、ラップシーンに留まらず、様々な音楽から影響を受けて進化を続けるUKの新世代アーティストを数名ご紹介します。

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1. Pa Salieu

ガンビア共和国にルーツを持つ、コヴェントリー出身のラッパー。J Hus系譜のアフロスウィングをベースとしながら、グライムやUKドリル、ダンスホーム、レゲエ風味のビートなども巧みに乗りこなします。UKラップ的なフロウからレゲエ調のアプローチまでこなす彼のスタイルは、同じくガンビア共和国にルーツを持つJ Husと比較されがちですが、彼はJ Husより更にアフリカルーツに回帰したストリート色の強い音楽性を提示しています。


2. Bakar

ロンドン出身のシンガー。カリフォルニアのヒップホップ・プロデューサーMadlibや、イギリスのロックバンドFoalsから影響を受けたと語るBakarは、インディーロックやパンク、ヒップホップなどをミックスしたジャンルレスな音楽性で注目を集めています。また彼は、Louis VuittonやPradaのモデルにも起用されるなど、ファッションシーンにおいても活躍しています。


3. ENNY

ナイジェリアにルーツを持つ、ロンドン出身のラッパー/シンガー。2020年に本格的に音楽活動を開始したENNYは、デビューシングル『He’s Not Into You』をリリースした後、Jorja SmithのレコードレーベルFAMMと契約。同郷ロンドン出身の注目シンガーAmia Braveと共にリリースしたメジャーデビュー・シングル『Peng Black Girls』はUKシングルチャートTOP100入りを果たしました。レイドバックしたラップやソウルフルなヴォーカル、詩的なリリックが魅力的な注目アーティストです。


4. Arlo Parks

ナイジェリア、チャド、フランスにルーツを持つ、ロンドン出身のシンガー。彼女は、ネオソウルやインディロック、ヒップホップなどをミックスしてポップスに昇華させた音楽性から、次世代のベッドルーム・ミュージックを代表するアーティストとして注目されています。2021年リリースのデビューアルバム『Collapsed in Sunbeams』はUKアルバムチャートにて最高3位を記録し、各音楽メディアからも高い評価を獲得しています。


5. Central Cee

中国と南米にルーツを持つ、ロンドン出身のラッパー。父親の影響で幼い頃からヒップホップを聴いていたという彼は、14歳の頃にYouTubeに楽曲をアップロードし始めます。キャリア当初はトラップビートを用いてメロディアスに歌うラップスタイルを武器としていた彼ですが、2020年頃からはUKドリルビートを用いてパンチラインをスピットするスタイルに移行。このスタイルチェンジが功を奏し、ジャジーなUKドリルソング『Loading』のヒットにより彼は一躍人気を獲得します。盛り上がりを見せるUKドリルシーンにおいて、一際目立つ存在になりつつある彼から目が離せません。


Written by Riku Hirai

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