マイアミのラッパー Zoey Dollaz が銃撃を受ける

フロリダ州マイアミのラッパー Zoey Dollaz が複数回にわたる銃撃を受け、近隣の病院に搬送されたというニュースが舞い込んできた。

Zoey Dollaz

Zoey Dollaz は現地時間の水曜日の夜、フロリダ州で人気を誇るストリップクラブ Booby Trap に向かう途中に銃撃を受けたとのこと。

今のところ彼は無事であると報じられているが、事件の詳しい内容、犯人の逮捕の有無は明かされておらず続報を待つばかりである。

今週のリリース【12月6日〜】

[アルバム]

Kid Cudi – Man on the Moon III: The Chosen

Jeremih & Chance The Rapper – Merry Christmas Lil’ Mama: The Gift That Keeps On Giving

Jack Harlow – That’s What They All Say

Young Scooter & Zaytoven – Zaystreet

Mulatto – Queen of Da Souf (Extended Version)

Lil Loaded – CRIPTAPE

Kamaiyah – No Explanations

Boldy James – Real Bad Boldy

Hotboii – Double O Baby

LNDN DRGS, Jay Worthy & Sean House – Burnout 4

Vory – VORY

Yella Beezy – Blank Checc

Fxxxxy – Do You Trust Me?

Yhung T.O. – Jupiter

AKTHESAVIOR – Almost Home

Cash Kidd – No Socks 2

Bladee & Mechatok – Good Luck

RMC Mike – Sophomore Season

Lakeyah – Time’s Up

Justin Bieber – Home for Christmas (EP)

Pressa – Gardner Express (EP)

[シングル]

Westside Boogie – Outside (feat. Joey Bada$$)

King Von – Lurkin

Russ – Hard For Me

Lucki – The World is Lucki’s

A Boogie wit da Hoodie がドラッグと銃の不法所持で逮捕される

甘い歌声とハードなラップで人気を博しているニューヨークのラッパー A Boogie wit da Hoodie。そんな彼がニュージャージー北部にて、ドラッグと銃の不法所持で逮捕されていたことが明らかとなった。

A Boogie wit da Hoodie

地元警察がニュージャージー州デマレストに位置する A Boogie の自宅にて家宅捜索を行った結果、四丁のハンドガンに加えドラッグが見つかったことによって逮捕されたようだ。

注目ラッパー特集【カナダ・トロント編】

現行ヒップホップシーンのスーパースター Drake の出身地として知られるカナダ・トロント。今回は、そんなトロントのヒップホップシーンを盛り上げる注目ラッパーを数名ご紹介します。

LB SPIFFY

Jane and Finch 出身のラッパー。幼い頃から趣味として音楽制作を始め、SNS を通してファンベースを築いてきた彼は、14歳の頃にリリースした楽曲『No Time』が人気ゲーム『NBA 2K』で使用されたことをきっかけに注目を浴び始めます。キャリア初期から着実に人気を獲得してきた彼は、Drake や Kylie Jenner らにフックアップされるなど今最も注目されているトロントのラッパーの1人で、高めの声で歌うナヨナヨとしたラップが特徴的です。

LocoCity

Bleecker Street 出身のラッパー。2018年頃から楽曲をリリースし始めた彼は、『Do Sum』や『Krazy』等のシングルのバイラルヒットにより人気を獲得し、2019年にはデビュープロジェクト『Save Yourself』をリリースしています。歌心のあるラップ・シンギングが魅力的なラッパーです。

Lil Berete

Regent Park 出身のラッパー。素行の悪さが理由で、8歳の頃から約4年間、母国であるギニア共和国で叔母と共に暮らしていたという彼は、12歳の頃にカナダに帰国し、2017年に音楽活動を開始します。キャリア初期にリリースした『Turn Up』や『Real』等のシングルで注目を集め、2018年にはデビュープロジェクト『Icebreaker』をリリース。2019年リリースのセカンドプロジェクト『1 Way Out』には Calboy に加え Loski や Headie One らイギリスの人気ラッパーを客演に招くなど、現在多方面から注目されているラッパーです。ストリートライフを歌うリリックと、Lil Durk を思わせる高音フロウが特徴的です。

Clairmont The Second

Weston 出身のラッパー/プロデューサー。2013年に音楽活動を開始し、ライティングからプロデュース、ミキシングまで全て1人でこなす彼は、2017年リリースのアルバム『Lil Mont from the Ave』で一躍ブレイクを果たします。同作は Juno Awards (カナダの音楽賞) の「Rap Recording of the Year」にノミネートされ、更に2019年には同作収録の『Gheeze』が Prism Awards (同じくカナダの音楽賞) の「Hi-Fidelity Award」を受賞しました。トラップやジャズ、ゴスペルなどの要素をミックスした多彩なプロダクションや、スキルフルなラップ、落ち着いたヴォーカルが魅力的なラッパーです。

Smiley

Pelham Park 出身のラッパー。同郷トロント出身のスター Drake が、Pusha T とのビーフの際に Smiley の楽曲のリリックを引用したアンサー動画を公開し、彼は一躍注目を浴び始めました。更に Drake はアルバム『Scorpion』の制作時に影響を受けた作品の1つとして Smiley の EP『Buy. or. Buy』を挙げています。憂いを帯びた高めの声でフッドのストリートライフについてラップするスタイルが魅力的なラッパーです。

Sean Leon

Parkdale 出身のラッパー/シンガー/プロデューサー。彼は、同じくトロント出身のシンガー Daniel Caesar も所属していたレーベル IXXI initiative を2012年に立ち上げた後、その非凡なプロダクションと音楽性によってアンダーグラウンドを中心に人気を獲得。独自のスタイルを貫く実験的なサウンドが魅力的で、Kanye West のアルバム『Jesus Is King』の制作にも携わっています。キャリアも長く、既にプロデューサーとして成功を収めている彼ですが、今後ラッパー/シンガーとしても更に活躍すること間違いなしでしょう。

おわりに

今回はカナダ・トロント出身の注目ラッパーを数名ご紹介させていただきました。トロントのヒップホップシーンは現在、各々が独自のサウンドを模索することによって急成長しており、今後の更なる発展が期待されています。今回ご紹介したラッパー以外にもトロントには才能溢れるアーティストが沢山いますので、是非この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

Written by Riku Hirai

Lil Uzi Vert が Rihanna と A$AP Rocky の交際を嘆く

先日、世界的歌姫である Rihanna とハーレム出身のラッパーである A$AP Rocky の2人の交際が報道され、大きな話題となった。

A$AP Rocky と Rihanna が正式に交際か

2人の交際報道を受けて、かねてから Rihanna に想いを寄せていた Lil Uzi Vert が、インスタグラム上で唯一行っていた彼女へのフォローを解除したことも話題となったばかりである。

Lil Uzi Vert の Rihanna への想いは届かず、その想いは彼の心に仕舞い込まれたと思われていたが、今もなお未練を残していると思われるストーリーが更新された。

Lil Uzi Vert は Rihanna と A$AP Rocky の2人が共に映る写真を「これが本当であるはずがない(嘘であってくれ)」とキャプションを添えて投稿し、彼女への想いを未だに諦めきれていない様子を見せた。

今週のリリース【11月29日〜】

[アルバム]

DJ Scheme – FAMILY 

Drakeo the Ruler – We Know the Truth

Rico Nasty – Nightmare Vacation

Landon Cube – Sapphire

YFN Lucci – Wish Me Well 3: Me Against the World

Working on Dying – Waiting to Die

TisaKorean – Wasteland.

YUNGBLUD – weird!

Craig Xen – Why

Baby Smoove – Hardwood Classic

Blxst – No Love Lost (Deluxe) 

Aminé – Limbo (Deluxe) 

Justin Rarri – YOUNGEST IN KHARGE (Deluxe)

Yung Baby Tate – After the Rain (EP)

Bastille – Goosebumps (EP)

[シングル]

The Weeknd – Blinding Lights (Remix) [feat. ROSALÍA]

Kash Doll – Bossa Nova (feat. Tee Grizzley)

Lil Baby – On Me / Errbody

Lil Tjay – None of Your Business

24kgoldn – Coco f/ DaBaby

Rich The Kid – So Heartless

Sheff G – No Negotiations

Melii & 6LACK – You Aint Worth It

Armani White – Danny Mac

G Herbo が個人情報の悪用及び詐欺の疑いで告発される

地域のコミュニティセンターを設立するなど、慈善活動にも力を入れているイリノイ州シカゴのラッパー G Herbo。そんな彼に関する悪いニュースが舞い込んできた。

今回、G Herbo と彼のクルーの合わせて6名が、盗難された個人情報を悪用しさまざまな高額商品を購入していたとして告発された。すでにプライベートジェットや高級車のレンタル、リムジンの貸切、ジャマイカへの旅行、2匹のミックス犬の購入などが発覚しており、被害総額は一億円以上とのこと。

A$AP Rocky と Rihanna が正式に交際か

ニューヨーク州ハーレム出身のラッパー A$AP Rockyとバルバドス出身のシンガー Rihanna が正式に交際している可能性が高まった。

Page Six によると、2人は今週末に友人らと共にニューヨークのレストラン The Beatrice Inn にて食事をとっていたとのこと。

2人の交際は、今年1月に Rihanna が元恋人 Hassan Jameel と破局した頃から噂されており、GQ や Vogue の動画企画「Face To Face」でも仲睦まじい様子が公開されていた。

Lil Yase が25歳という若さで死去

カリフォルニア州サンフランシスコ出身のラッパー Lil Yase が、25歳という若さでこの世を去ったことが明らかとなった。

Lil Yase こと Mark Antonyyo Alexander は、Highway 420 Productions に所属していたラッパーで、Too $hort の『Hella Disrespectful: Bay Area Mixtape』にも参加するなどベイエリアを中心に活動していた。銃撃による死去と見られているが、未だ正式な発表はされていない。

Jackboy – 愛とギャングの交錯を歌う新鋭ラッパー

先日、最新アルバム『Love Me While I’m Here』をリリースし、大きな話題となっているフロリダ州ポンパノビーチのラッパー Jackboy。2020年に突入してからも、セルフタイトルアルバム『Jackboy』や『Living in History』、そして先日リリースされた『Love Me While I’m Here』の3作品をリリースし、精力的に活動を続けています。今回はそんな彼の生い立ちやキャリアに触れながら、2つの視点から彼の魅力に迫ります。

生い立ちとキャリアの開始

Jackboy こと Pierre Delince は1997年の8月27日にハイチ共和国にて産声を上げました。6歳になるまでの幼少期をハイチ共和国で過ごしたのちに、家族と共にフロリダ州のノースラウダーデールに移り住みます。まもなくして、現在もなお拠点として活動しているフロリダ州のポンパノビーチに再び移住します。

ハイチ共和国で過ごしたのはたったの6年間ということで、当時の記憶はほとんど無いと話す彼ですが、「ハイチ共和国にルーツを持つことを誇りに思っている」とも公言しており、今年の5月18日にはハイチ共和国の国旗制定記念日に合わせてシングル『Spittin’ Fact』もリリースしています。

Jackboy が音楽活動を開始したのは 2016年。音楽を始めたきっかけとして「金が必要だったから」と明かす彼は、ここ数ヶ月で自らのラップが評価され、ある程度の金額を稼ぐことに成功するまで「音楽を好きでやっていたわけじゃない」と語っています。

Kodak Black との出会い

Jackboy のラップスタイルは声質やフロウの類似点から、しばしば Kodak Black と比較されます。実際のところ、Jackboy は Kodak Black が率いるレコードレーベル Sniper Gang に所属しており、デビューミックステープのリリース時から共演を重ねているほど、彼らの友好関係には深いものがあります。

1997年生まれであることやフロリダ州ポンパノボーチで育ったこと、そしてハイチ共和国にルーツを持つことなど、Jackboy と Kodak Black には様々な共通点があり、それらの共通点が彼らを巡りあわせたとも言えるでしょう。(Kodak Black の出身はフロリダ州ポンパノビーチですが、両親がハイチ共和国からの移民です。)

近年の活躍と彼の魅力

冒頭では、2つの視点から彼の魅力に迫ると始めさせていただきましたが、その1つ目は「身の回りに起こることをありのままに綴ったリリック」です。まずは最新アルバム『Living in History』に収録され話題となった楽曲『In My City』をお聞きください。

Boy you gotta keep a gun ’cause this shit get hella scary
この街はかなり危険だから、銃を携帯すべきだ

My dog just got up outta jail now he in a cemetery
刑務所から出てきたと思ったら、もう墓の中にいる奴もいる

This real rap no cap this ain’t my imaginary
これは俺の妄想なんかじゃなくリアルなラップだ

Every n***a in my city fuckin’ legendary
俺の街にいる仲間はみんな伝説だ

Every n***a in my city tote a choppa
俺の街にいる仲間はみんなチョッパー (※1)を携帯している

(※1) Choppa とは、自動小銃 AK-47 を意味するスラング

本楽曲で語られている内容が全てノンフィクションであることを強調しながら、ストーリーテリングのような構成で展開されているこちらの楽曲は、先行シングルとしてリリースされた時点から話題に火がつき、現在では YouTube で500万回再生を越えるヒット曲となっています。

続いても最新アルバムに収録されている『Lost Ties』 をお聴きください。

Niggas started to hate when I started to shine
俺が輝き出した途端、あいつらは俺を嫌いだした

Lost ties with a couple of niggas that I loved the most
最も愛した仲間との友情もいくつか失ったよ

If I knew you finna do me dirty, I wouldn’t of let you close
お前らがあんなに汚い真似をするような奴らだと分かってたら、初めから俺に近づくのを許してなかっただろうにな

ラッパーとして成功をおさめ富と名声を手に入れ始めた彼ならではの、人間関係の複雑さをラップした一曲です。このパターンの楽曲では、裏切り行為を働いた元友人を非難するばかりのリリックになることが多いですが、Jackboy の場合は途中から急変した仲間の態度に悲しむスタンスでリリックが書かれており、どこか哀愁が漂う作品となっています。

Rod Wave などの歌モノを取り扱うラッパーたちとの共演でも有名なトラックメーカー TnTXD らによるピアノベースのトラックがフロリダらしくて良い味を出しています。

そして、彼の魅力に迫るために忘れてはならない視点の2つ目は「スムーズなメロディとロマンチックなリリック」です。

一つ目の魅力でもご紹介した通り Jackboy が育った街は決して安全とは言えず、ラップの内容も平和なものとは言えない物が多いのが事実です。しかし、彼はギャングスタのストリート事情をそのままラップする傍ら、同一人物が制作したとのとは思えないほどロマンチックなラブソングもリリースし続けています。

彼のデビューアルバム『Lost In My Head』では、ラブソングを中心に音楽活動を行う巷のポップアーティストも顔負けなロマンチストぶりを顕著に感じることができるアルバムとなっています。まずはこちらの楽曲をお聴きください。Jackboy のデビューアルバム『Lost In My Head』収録の『Would You Leave』と言う楽曲です。

If  I go broke right now
もし俺が今すぐ貧乏になっても

Would  you still be around?
それでも俺のそばにいてくれる?

If I go to jail right now
もし俺が今すぐ刑務所に行っても

Baby girl, hold me down
俺のことを愛し続けてくれよ

Or  would you leave me?
それとも君は離れていっちゃうの?

Baby,  don’t leave me
お願いだからずっとそばにいてよ

恋人からの愛情を確かめるような質問形式のフックが特徴的な可愛らしい一曲です。1分39秒とかなり短めの楽曲ですが、伝えるべきことだけを短時間にまとめたミニマルでシンプルを突き詰めたものだと言えます。Jetsonmade によるフワフワとしつつも、重い808のアクセントが効いたトラックも楽曲の雰囲気とマッチしています。

つづいても『Lost In My Head』より『Live and Learn』と言う楽曲。

Man, it took all of this time just to finally realize, oh, how much I need you
俺が君をどれだけ必要としているかを気づくまでに、かなりの時間がかかってしまった

Lately I been out of mind, so now I’m taking my time tryna find new ways to please you
君をどうやって喜ばせられるかを考えているから、ここ最近俺はずっと上の空だよ

Fuck all that money I make, I would give it away just to be with you
今までに稼いだ金なんて、君と一緒に居るためなら捨てられる

恋人からの愛を確かめる内容の先程の楽曲とは対照的に、自分がどれだけ恋人を愛しているかをラップしたものです。こちらも Jetsonmade によるトラックで、重くなりがちな内容のラップを軽快なテンポで楽しむことができます。

最後に最新アルバム『Living in History』収録の『Hard to Forget Ya』をご紹介します。

And baby, I don’t wanna see you with another fella
君が他の男といるところなんて見たくないよ

‘Cause if I do, I’ma wish that I never met ya
君と出会いさえしなければって願うほどにね

‘Cause the love you give gon’ be hard to forget ya
君がくれた愛のせいで、君のことを忘れられないよ

恋人に別れを告げられてしまった後、取り返しのつかない現状に後悔をする内容の失恋ソングです。ドラムス無しのアコースティックなトラックや、感情のこもった掛け合いフックに注目です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はストリートのリアルな現状をラップするとともに、暖かいラブソングをも歌い上げてしまうフロリダのラッパー Jackboy についてご紹介してきました。「ここ数ヶ月でやっと音楽が好きになってきた」と語る Jackboy のさらなる躍進に期待が高まるばかりです。

Written by whoiskosuke