2020年に頭角を現した 期待のラッパーたち

2020年も本日で終了とのことですが、今年も沢山のアーティストが登場し、名曲も数多く生まれました。今回は2020年に頭角を表したアーティストの中から、3人ピックアップしてご紹介いたします。

1. Armani Caesar

Armani Caesar (アルマーニ・シーザー) は、ニューヨーク州バッファロー出身のラッパーです。2006年にバッファローのヴィジュアル / パフォーミングアート学校を卒業したのち、ノース・カロライナ・セントラル大学にて学業に励んでいました。

Armani Caesar

彼女は2011年に Buff City Records よりファーストミックステープ『Hand Bag Addict』をリリース後、2015年には『Caesar’s Palace』、2018年には『Pretty Girls Get Played Too』とコンスタントにスタジオアルバムのリリースを行ってきました。

ではなぜ、10年ものキャリアをもつ彼女を今回の記事に取り上げさせて頂いたのかというと、その理由は彼女のキャリアの躍進ぶりにあります。Armani Caesar は、ニューヨーク州バッファローのラップコレクティブ / レーベルである Griselda Records への加入を果たしたのです。

Griselda への加入後、4枚目のスタジオアルバムである『THE LIZ』をリリースしたことで、かなり大きな話題となりました。Conway the Machine や Westside Gunn、Benny the Butcher はもちろんのこと、プロダクションには DJ Premier や JR Swiftz、Danny Laflare などが参加しており、Griselda らしい作品に仕上がっています。

2. Rubi Rose

Rubi Rose (ルビ・ローズ) はケンタッキー州レキシントン出身のラッパー / モデルで、現在はジョージア州アトランタに拠点を移して活動しています。2019年の9月にリリースしたシングル『Big Mouth』がバイラルヒットを起こし、一躍有名になりました。

Rubi Rose

彼女は2020年に突入してからも、自身の名義下でシングルを3曲だけしかリリースしていないにもかかわらず、その知名度を順調に伸ばし続けました。楽曲以外に彼女の知名度を成長させた要因は大きく2つあります。

1つ目は、OnlyFans への参入です。彼女は UPROXX のインタビューにて、OnlyFans で1日に約1000万円を稼いだことがあると話しています。

2つ目は、Cardi B と Megan Thee Stallion による楽曲『WAP』の MV への出演です。Kylie Jenner や Normani、ROSALÍA などの豪華ゲストに混ざって Rubi Rose もカメオ出演を果たしています。

『WAP』の MV でダンスを披露する Rubi Rose

このまま、プロジェクトをリリースしないまま2020年を終えてしまうと思われていた矢先に、急遽デビューミックステープ『For The Streets』をリリースします。8曲入りの比較的コンパクトなミックステープには、Cardi B によるスキットが挿入されたことや、Future と PARTYNEXTDOOR がゲスト参加したことでも話題を呼びました。本業であるラッパーとしても2020年を見事に締めくくったと言えるでしょう。

3. Ivorian Doll

Ivorian Doll (アイボリアン・ドール) は、ドイツのフレンスバーグ出身、イーストロンドン育ちのラッパーで、主に UKドリルシーンで活躍しています。ドリルシーンにおいては珍しい女性アーティストであること、自身の YouTube チャンネルにてストリートでの生活を赤裸々に語る様子が人々の目に留まり、徐々に人気を獲得してきました。

Ivorian Doll

Ivirian Doll は 2020年の4月にリリースしたシングル『Rumours』にて人々の注目を集めました。学園モノのコミカルな MV や、ピンク色を基調としたポップなカバーアートとは対照的に、男性アーティスト顔負けの鋭いラップを披露しています。

現時点では、ミックステープやアルバムなどというまとまった単位のプロジェクトをリリースしていない彼女ですが、UKドリルの重鎮である Headie One のアルバムへの参加、S1mba のヒット曲『Rover』のリミックスバージョンへの参加など、イギリスのヒップホップシーンにおいて名を轟かせ始めています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。2020年も本日で最後。世界中で様々なことが起こった2020年でしたが、そんな世界を鼓舞するように光り輝いた彼女たちの楽曲を聴いて、一年を締めくくってみてはいかがでしょうか。

2020年もご愛読いただきありがとうございました。

2021年も XXS Magazine をよろしくお願いいたします。

Written by whoiskosuke