Shawn Brown a.k.a. The Rappin’ Duke – Rappin’ Duke
1984年、スタンドアップコメディアンの Shawn Brown が 『Rappin’ Duke』なる楽曲をリリース。「主に西部劇や戦争映画にてヒーロー役を演じていた俳優 John Wayne(別名 Duke)がラップをする」というコンセプトの元作られた同曲が、その後のカントリー・ラップの礎となります。
Remember Rappin’ Duke? Duh-ha, duh-ha
Rappin’ Duke が「Duh-ha, duh-ha」って歌ってたのを覚えてるか
You never thought that hip-hop would take it this far
当時はヒップホップがこんなに盛り上がるなんて思ってなかっただろ
The Notorious B.I.G. – Juicy
The Notorious B.I.G. も自身の楽曲にて『Rappin’ Duke』について言及しています。
そして、2018年から2019年にかけて爆発的にヒットしたカントリー・トラップ・アンセムが Lil Nas X の『Old Town Road』です。
Lil Nas X – Old Town Road (Remix) [feat. Billy Ray Cyrus]
Nine Inch Nails の『34 Ghosts IV』からサンプリングしたバンジョーの音色と、現行ヒップホップの王道トラップサウンドをミックスした同曲は、一時は Billboard のカントリー・チャートから除外されるものの、最終的にはカントリー・チャートに復活し、HOT 100にて首位を獲得しました。
「初めて(Old Town Road を)聴いたとき、明らかにカントリーだと思った」と語るカントリー界の大御所 Billy Ray Cyrus のリミックスへの参加もあり、同曲は17週連続1位という US Billboard 史上最長の記録を打ち出し、カントリー・トラップというジャンルを世界中に認知させました。
カントリー・トラップのネクストスターたち
Lil Nas X に続いて、カントリー・トラップを自身の楽曲に取り入れるラッパーも増えていきました。
Fly Rich Double – Big Boom
実はこの Fly Rich Double というラッパーは、Lil Nas X が『Old Town Road』をリリースする前からカントリー・トラップのスタイルを取り入れていました。様々なジャンルに挑戦したいと語る Lil Nas X とは異なり、Fly Rich Double はカントリー・トラップを軸に勝負していく意向を示しています。
オハイオのカントリー・グループ Rascal Flatts のグラミー受賞曲『Bless the Broken Road』のメロディラインを引用した同曲がバイラルヒットし、今週末にリリース予定のデビュー EP『DRUG DEALING IS A LOST ART』には Westside Gunn や Future、Lil Baby、Young Thug といった錚々たる顔ぶれを客演に迎えるニューカマー RMR。未だ謎多きカントリー・トラップの新星に要注目です。