こんにちは!今回は夜11時ぐらいに部屋で一人だと聞きたくなってしまうでお馴染みの女性シンガーソングライター(以下SSW)Clairo のキャリアや良さについて書いていこうと思います!
プロフィール
本名Claire,Cottrilはマサチューセッツ州出身で1998年生まれの21歳です。
ジャンルはインディー・ポップですが、キャリアの初期はその中でも、今流行りの「ベッドルーム・ポップ」に分類された音楽を製作していました。
ベッドルーム・ポップとは、Lo-Fiに近いところがあって、楽曲製作を実際に部屋の中で行っていたり、そのようなニュアンスの音楽を指します。
Clairoは優しく語りかけるような歌声の持ち主で、イヤホンで聞くと耳元でささやかれているかのような感覚になるアーティストです。
では、彼女のキャリアとオススメの楽曲などを紹介していきます!
Pretty Girl(2017)
Clairoが話題となったきっかけの初期の楽曲が「Pretty Girl」です。
いやー、このあざとい感じがかわいいですね。
これこそがベッドルーム・ポップというようなこの楽曲は全て自分で製作し、PVもセルフ・プロデュースしているということで才能の凄さが伺えます。
PVは再生回数が現在4000万回を超えており、非常に話題となりました。
楽曲としては、ボーカルにリバーブが強くかかっていて、メロディーやインストもシンプルなため、とても聞いていて心地いいんです。
曲の内容としては、当時の好きな人のためにありのままではなく、自分を相手の好みに変えるというような19歳らしいセンチメンタルな内容となっています。
I could be a pretty girl, I’ll wear a skirt for you.
あなたのためなら、スカートを履くような可愛い子になれる。
I could be a pretty girl, shut up when you want me to.
あなたが黙って欲しい時は黙っとく。
歌詞もめちゃくちゃかわいい。若さ溢れる共感できる歌詞ですよね。
ただやはりキャリアのスタートあたりの楽曲であるためか、全体的なクオリティは現在の彼女の楽曲に比べると低い印象を持ってしまいます。
Clairoの父親が広告会社の社長でこの動画に力を貸していることもという噂が広がり、コネを使って売れたなどのことも言われますが、現在の活躍を見れば、もともと高い才能をもっていると思いますね。
そしてClairoはインタビューでこの頃アメリカのボーイズバンドBROCKHAMPTONから影響を受けていると言っており、時期を考えるとめっちゃタイムリーやなという感じですが、なんか印象がもっとよくなりますよね。
ちなみに彼女は大学に通いながらアーティストとしても活動していたので、Tay Keithと同じだと考えてもらっていただいて問題ないかと思います。
Diary 001 (2018)
前述の「Pretty Girl」やシングルの「4EVER」をひっさげ、Clairoは待望のEP「Diary 001」をリリースします。
このEPについてClairoは彼女にとって最後のベッドルーム・ポップの作品と表現しており、実際数曲がスタジオで作られています。
全体的にはやはり19歳の恋愛観がわかるようなロマンティック系統な内容が多くなっています。
ただ、「Pretty Girl」の勢いそのままにという感じではあったので、そこまで流行するとかいうわけでもない感じになってしまいました。
ですが落ち着く系のいい曲ばかりなのでオススメ曲を一つ紹介したいと思います。
オススメ曲
オススメ曲はずばり一曲目の「Hello?」です。この曲は「Chill界のカリスマ」ことRejjie Snow様をフィーチャーした、二人の良さが爆発している楽曲になります。
Clairo, Rejjie Snow – Hello?
電話のダイヤル音の後にすごいアメリカンなHello?が聞こえて始まるこの曲。
やはりベッドルーム・ポップの雰囲気が残りつつ、ドラムではあえて弾けるようなクラップがあることによって、虚無感に襲われそうになるオルガンのメロディがテンポがあるキャッチーなサウンドに仕上がっています。
でもやはりClairoの少し寂しそうなボーカルとRejjieのつぶやくようなラップが入ることで、春のギリ夜にカウントしない18時45分あたりの時間帯にいるような、ひんやりとしたなんだか冷たい感覚になります。
内容的には相手が自分のように好きなのかという彼女の内面的な不安が滲み出たリリックなのですが今回はこの楽曲でRejjieがラップしているひとつのラインがたまらないものだったので紹介します。
Played you DOOM, man, you play Drake
おれがDOOMで、君はドレイクだ
これはMF DOOMというビートがちょっとおしゃれなオルタナティブなラッパーと DrakeのようにR&Bに近いラッパーのように、同じ業界にいても少し違うテイストの音楽を作るという意味で、RejjieがDOOMでClairoがDrakeという風にかけているんです。
DrakeがR&Bでロマンティックな曲を作ることも多いのでそこも Clairoとかけているのかも知れません。
この4人のアーティストが一つのバーに含まれているだけで最高ですよね。
そしてこのEPのリリース後はアメリカの男性インディー歌手・Cucoやイギリス人男性SSWのSG Lewisなどとコラボするなど活動の幅を広げます。
また、世界最大級の野外音楽フェスであるLollapalooza 2018やCoachella 2019に出演するなど、知名度もぐんぐんあげていきます。
そして2019年8月に初アルバムをリリースします。
Immunity (2019)
このアルバムは良すぎてプレーヤーを持っていないのにレコードを買ってしまうぐらい個人的には今年トップぐらいの勢いのアルバムです。
一曲目の「Alewife」が始まった瞬間クリスマス?っていう感じのサウンドにもっていかれ
「North」では夏の夕方のビーチにいる感覚にもなるので、アルバムを通して四季を感じているみたいな気持ちになります。
「Closer To You」ではオートチューンにハイハットという、808いれてYung Bansにラップさせたらヒップホップチャート入るんちゃうかぐらいの新しいインディー・ポップの形が見えた気がします。
また、彼女のセクシュアリティや恋愛観など内面的なものがアルバムを通して歌詞からもサウンドからも感じ取れる作品となっています。
このアルバムからは素人の僕でもわかるぐらいにギターからボーカルまで前作から成長が見られます。
また、アメリカのカリスマ的インディー・バンドVampire Weekendの元メンバーであるRostamがプロデューサーとして参加するなど完成度が非常に高いこの作品。
厳し目採点の音楽メディアPitchforkも10点中8.0点をつけ、US Billboard 200でも51位にランクインするなど高評価かつ話題の作品となりました。
オススメ曲
Softly
たぶんけっこうあるあるだと思うんですけど、僕は楽曲一つ一つにイメージカラーがあって、そのカラーがアルバム、またはシングルのジャケットの色になりがちなんですよね。
だから紹介する二曲は両方イメージカラーががっつり白なんですけど、Softlyの白はちょっとマイルドなベージュに近いイメージです。
まず初めのギターからすごい心地がいいサウンドです。
そこに入ってくるClairoの川のせせらぎのようなこれまた心地いいボーカルが入ってきて、フックでは軽くオートチューンがかかっていて、完璧なハーモニーで気持ちいいサウンドです。
Clairoは2018年に自身のセクシュアリティは不明であるが、ストレートではないと発言しており、紹介する二曲でそのセクシュアリティが垣間見れます。
Touch you softly, call you up late at night
あなたに優しく触れて、夜遅くまで電話して
Know that it isn’t right, but you could be my one and only
いけないことだとわかっているけれど、あなたは私が求めている人かもしれないから
甘酸っぱい。
「いけないことだとわかっている」というラインが、あまり人に知られてはいけないけれど、どうしてもそのように感じてしまう感覚だといえます。
またフックの手前ではgirlという単語を二人称として使っており、やはり女性に対しての感情と捉えられます。
この曲は個人的に今年で一番を争うぐらいの楽曲でして、ぜひ読者の方々にセンチメンタルな気持ちになっていただきたいです。
ちなみに「Touch you softly」というフックの歌詞なのですが、softlyの音が「ソフトリー」じゃなくて確実に「ソーフヤー」って言ってるていう個人的なあるあるもございます。
Sofia
6番目のSoftlyの次のトラックがこの「Sofia」です。
最初のギターがロックっぽい感じがしてかっこいいのですが、Clairoの繊細なボーカルでかっこよさが心地よさで完全に緩和され、完璧なバランスが成立する楽曲です。
Softly はベージュに近い白というイメージですが、Sofiaは個人的においしい牛乳のパッケージのあの爽やかな白に近いイメージカラーです。相当爽やかです
2分15秒あたりの一度声がぼやけてからのキーの高い彼女のボーカルが、一度地上に戻ったけどまた雲の上に突き抜けてきたみたいな、天下一武道会の空中戦のシーンみたいなイメージ。
Clairo一人が雲の上に上がっていく情景が頭に浮かびます。
この楽曲は、Softlyよりも明確に彼女のセクシュアリティについてわかる楽曲となっています。
Sofia, you know that you and I shouldn’t feel like a crime
ソフィア、この関係があってはならないものだと感じなくてもいいって知ってるよね
このSofiaという女性の名前は彼女が好きだった(推しに近い感覚)脚本家のSofia Cappolaと女優のSofia Vergaraのことを指しています。
この歌詞は同性愛のカミングアウトの難しさやそのスリルをCrimeという単語で表していて、いい言葉の言い回しだなあと感じました。
その後はイギリスのプロデューサーMura Masa や
Netflixドラマ「13の理由」でクレイ役を演じているDylan Minnetteが所属するバンドThe Wallowsの楽曲に客演として参加するなど、様々なアーティストとコラボすることで、ファンベースを拡大しています。
その中でも、Clairoが客演で参加しているDeaton Chris Anthony の「RACECAR」という楽曲では、普段はみれないほぼラップみたいなかっこいいClairoがみることができます。
PVも自由な感じでかっこいいのでぜひ見てみてください。
終わりに
どうでしょうか。Clairoの良さが伝わっていると嬉しく思います。
また来年3月からは、オーストラリアの神様的インディー・バンドTame Impalaのアメリカツアーに帯同することも決まっているので、どんどん人気が増えていきそうです。
Clairoは、これからも活躍の幅を広げ、ファンベースを拡大していくアーティストだと思うのでぜひチェックしておいてください!
Clairo特製プレイリストはこちら↓
https://music.apple.com/jp/playlist/clairo-a-pretty-girl-from-the-bedroom/pl.u-jV89arDFd1A86o2